自分の子どもを小さな天使だと信じたく、もちろんそうなのです。しかし、不調な日は誰にでもあり、子どもも例外ではありません。好ましくない行動にパターンが生じることがあり、この場合は原因を突き止めなければいけません。私自身には幼稚園を卒業した子どもが二人おり、親のみならず東京の幼稚園で勤務している経験豊富な教師として気づいたことがいくつかあります。以下は特に幼稚園・プリスクール・保育園児に当てはまる内容です。好ましくない行動というのは滅多に起こらない出来事から生じることはないのですが、継続・頻繁かつ長引いている場合は気をつけた方がいいでしょう。
1) 体調。子育て中、近頃態度が悪いなと思うとき、最初に体調をチェックすべきです。体調は誰にでも影響を与えますが、2−4歳の幼児なら特に影響は顕著です。体調が優れないと何事も対処するのが辛いのは大人でも同じです。幼児の体調不良の原因は風邪、または麻疹といった深刻なものも含みます。このように明瞭なものもあれば、中耳炎や寄生虫といった分かりづらいものもあります。この場合、苛々したり、短気または攻撃的にすらなります。もし自分の子が幼稚園で他の子どもに噛み付いたりすることがあれば、歯生期かもしれません。その場合は噛み輪などを入手して持参しましょう。
2) 集団力学。 どんな幼稚園・プリスクール・保育園の集団でも様々な異なる性格の子供たちがいます。インターナショナルな環境、都内にあるインターナショナル・スクールなどでは性格の多様性に加えて異文化という要素も加わります。自分の子どもと仲良くできる子もいれば、合わない子もいます。とても親切な子もいます。ここで覚えてもらいたいのは、子どもは常に「因果関係」にあり、これにより多く学ぶこともあれば、良くない影響を与えることもあるということです。
3) 生活環境。 子育てというのは大変で、子育て世代の人生はなかなか計画通りにいきません。周囲の大人がストレスを溜めていると子どもにマイナスの影響を与えます。一番大きなストレス要因は変化で、子どもの年齢・性格・変化の度合いによって順応レベルが変わってきます。幼稚園・プリスクール・保育園の初日には、自分の子どもがどの程度変化に順応できるか伝えておきましょう。もちろん、家族・ペットの他界、出産や引越なども大きな変化です。これらもきっかけとなるのでスタッフにしっかりと知らせた方がいいでしょう。
4) 過度の刺激。長時間、大音量の音楽、叫び、踊りや単なる煩い人ごみでも原因となります。スタッフ人数や広さが不十分で園児が多すぎる幼稚園・プリスクール・保育園でも状況が長引けば好ましくない行動の要因となります。
5) 最近の出来事。 モデリング(何かしらの対象物を見本に、そのものの動作や行動を見て、同じような動作や行動をすること)は、態度や行動を変える影響力の強い方法です。子どもがテレビで観る内容によって悪影響を与えることもあります。テレビアニメや番組で観た暴力を真似るかもしれません。交通事故や家庭内暴力などの目撃も原因となりえます。
6) 繰り返されるマイナス思考。これはいつでも起こりうることですが、例えば幼稚園・プリスクール・保育園で何度も叱られてしまう子どもがいるとします。すると他の子供たちはスタッフが叱る真似をし、それに付け加え自分たちからの非難も浴びせてしまいます。もしこのように毎回同じマイナスのサイクルに嵌まれば、その子どもの期待や態度も急降下してしまいます。
7) 学校環境の変化。変化というのは我々人間がみな体験する普遍的要素だというのは明らかです。良い変化もあれば悪い変化もあり、学校の経営者は常に総合的な向上との葛藤です。避けられない変化というのは保育サービスあらゆる分野で生じます。スタッフの退職、新たなスタッフの到着、子供たちも常に入園・退園します。これは子供たちに異なる影響を与えます。子どもは慣れ親しんだ流れが大好きで、安定感と主導感を与えてくれる集中力から楽しみが生まれます。それを奪われてしまうと子どもに悪影響があるかもしれません。変化は全て経営者がコントロールできるものではありませんが、園のスタッフ及び経営者はこの事実を把握しておくべきです。
お分かりのようにきっかけや症状は家庭内でも外でもありえます。前述のように、きっかけの頻度は重要です。解決の鍵は自分と学校のコミュニケーション、そして効果的な戦略にあります。